死亡後長期間にわたり相続登記がされていない土地について

長期相続登記未了解消作業16件が終わりそうです

長期相続登記未了解消作業16件が、大物2件を残すだけとなりようやく終わりそうです。今年1月に受託したのは、1筆50人以上の共有地の内の共有者16人分の相続人の探索でした。この間、延べ464市区町村に戸籍謄本等を請求し、北は北海道深川市(旭川市の手前)から、南は九州宮崎県都城市まででした。変わった自治体名と思ったのは、静岡県伊豆の国市、北海道占冠(シムカップ)村トマムがありました。被相続人はほとんど明治初期の生まれで、生まれた当初の本籍が1村だけだったのが2世代、3世代、4世代になると日本全国に住処を変え、本籍を移すことになるんだということを実感しました。相続人が30人を超える事件が3件あり、最高は相続人48人にまで膨れ上がりました。なかなか、ボリュームのある作業です。

長期相続登記未了解消作業とは

平成30年11月15日,法務省及び国土交通省が所管する「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」の一部が施行され,法務省関連の制度が施行されました。この制度は法務局登記官が,所有権の登記名義人の死亡後長期間にわたり相続登記がされていない土地について,亡くなった方の法定相続人等を探索した上で,職権で長期間相続登記未了である旨等を登記に付記し,法定相続人等に登記手続を直接促すなどの、不動産登記法の特例が設けられたものです。


(注)所有権の登記に付記されているのは長期間相続登記未了である旨等であり具体的な法定相続人等の氏名等は付記されていません。

対象事業

公共事業等のうち、地域住民の福祉又は利便の増進に資する事業等で、原状回復が可能なもの等を対象としています。(例、①公園、緑地、広場、駐車場等、②購買施設、教養文化施設等、③仮設道路、仮設園舎等)

所有者不明土地の現状

人口減少・高齢化の進展に伴う土地利用ニーズの低下や地方から都市等への人口移動を背景とした土地の所有権意識の希薄化等により、所有者不明土地が全国的に増加しています。
※平成28年度地籍調査結果における所有者不明土地は、全体の約20%(登記簿のみでは所在不明)となっています。
公共事業の推進等の様々な場面において、所有者の特定等のため多大なコストを要し、円滑な事業実施への支障となっています。

法務局から「長期間相続登記がされていないことの通知」が届いた方は

長期相続登記未了解消作業が完了した土地については、登記簿に長期相続登記が未了である旨の付記登記がなされ、調査で判明した相続人のうち一人に対して、相続登記を促す通知が送付されます。
この通知を受け取ったら、
通知をもって管轄法務局に行って、当該物件及び法定相続人情報を閲覧する
共同相続人と遺産分割協議をする
相続登記を申請する、といった段取りで長期相続登記未了を解消しましょう。
法定相続人情報の作成番号を提供した場合は、相続を証する戸・除籍謄本等や住民票の添付が省略されます(ご不明な点等は通知文書に記載しています連絡先にお問い合わせください)。

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